多くの方が、注文住宅で後悔したくないと思うことでしょう。
それと同じように、私もせっかくの注文住宅で後悔してほしくないと思っています。
雑誌やネットで調べると、多くの後悔事例が載っています。
そこで載っている後悔は氷山の一角で、細かいところも含めて多くの方が後悔の念を抱いていると思っています。
いろいろなアンケートを見ると、新築後に半分以上の方が、何らかの不満を抱いてるようです。
そのため私は、定期的にそれらの後悔事例を見ています。
なぜなら、できるだけ注文住宅での後悔を減らしたいと思っているからです。
後悔する部分は、人それぞれありますが、大まかに分けてみると下記のようになるかと思います。
1.予備知識不足からの後悔
2.土地選びでの後悔
3.予算などお金の後悔
4.住宅会社や担当者選びでの後悔
5.間取りや使い勝手の後悔
6.家の性能や品質の後悔
7.主導権(顧客か住宅会社か)からの後悔
8.ライフスタイルの変化による後悔
後悔する気持ちは、こんなはずではなかった、という思いです。
こんなはずではなかったと思うのは、そのことに関して事前に考えていなかったことが原因となります。
予期せぬ事態が起こってしまうことも多々あるでしょうが、できるだけ事前に対処したいものです。
それでは、一つ一つ考えていきたいと思います。
1.予備知識不足からの後悔
多くの方は、家づくりのことや住宅業界の実態をご存じありません。
車や家電を買うかのように、土地と建物を買おうとしてる方もいます。
また、自分自身で何がわかって、何がわからないのか、ということがわかりません。
家を建てたいと思ったら、住宅会社が手取り足取り面倒を見てくれるから安心だと、どこかで期待しています。
しかし、住宅会社は、家づくりを教えてくれるところではありません。
顧客の依頼によって、家を受注して建てるところです。
後悔される方は、顧客の常識と、住宅会社の常識が異なることを、あまりご存知なかったものと考えられます。
後悔を減らしたいのであれば、住宅会社や住宅業界とはどんな相手なのかを、少し知ることをお勧めします。
2.土地選びでの後悔
土地を探している方の中には、チラシやグーグルマップなどの確認だけで決めようとする方がいます。
また、不動産業者や住宅会社の営業マンの勧めから、相手を信頼してお任せする方もいます。
土地選びでは、将来に渡り、そこで暮らしていくことをイメージすることが大切だと思います。
広さや方位、周辺環境、ゴミ出しや町内会、近隣とのお付き合い、道路状況やバス停など、学校区や買い物と、挙げればきりがありません。
実際にその地で生活していくので、何度も現地に行って、家族の優先順位に対して、どの程度合っているかなど、調べてみると良いのではないかと思います。
3.予算などお金の後悔
多くの方が、土地や建築費の相場価格をご存知ありません。
また、土地や建物を取得するために発生する諸費用を、考えていなかったケースもあります。
そのため、思いのほか予算がオーバーしたり、逆に予算のことを考えるあまり、間取りを狭くしたり、設備機器を抑えたりすることで、かえって後悔が増す方もいます。
予算やお金での後悔を減らすには、まず、相場価格の感覚を上げていくことです。
また、長期的な視野に立って、住宅ローンやメンテナンス費、ランニングコストも考えていくと良いのではないしょうか。
4.住宅会社や担当者選びでの後悔
住宅会社にはそれぞれに特徴があります。
また、営業や設計などの担当者によっても、スキルや考え方に違いがあります。
従って、家族が望む住まいをイメージした上で依頼先を選ばないと、ミスマッチが起こってしまい後悔が生じてしまいます。
ネットなどで、どのハウスメーカーがいいかなどの情報が多く掲載されていることから、どの会社がいいのか調べている方がいます。
しかし、同じメーカーでも、支店や担当者、下請け業者によって、注文住宅に大きな差が生じてしまうことがあります。
依頼先選びでの後悔を減らすには、まず、家族の暮らしをイメージして、それに合いそうな依頼先をピックアップしていくことです。
その上で、その会社の担当者が、家づくりに対し、どの程度の知識や提案力、コミュニケーション力があるかを確認してみることです。
5.間取りや使い勝手の後悔
私の経験上、さらにはネットなどの掲載情報から、間取りに関しての後悔が最も多いのではないかと思います。
見慣れない図面だけで、生活するイメージを理解するなど、なかなか出来るものではありません。
また、住宅会社としては、早急に間取りを決めないと進められないので、聞き取り不足や提案不足になりがちです。
多く方は、相手はプロだから、少しくらいわからなくても大丈夫だろうと考えてしまいます。
しかし、住宅会社側としては、このお客様は要望を言ってこないから、これで納得していると考えているかも知れません。
住宅会社の提案力は、本当に様々です。
設計のプロである建築家でさえ、人それぞれの考え方があります。
従って、家族自身でじっくりと話し合い、生活のイメージや使い勝手を書き出してみると良いと思います。
6.家の性能や品質の後悔
最近では少なくなってきた、手抜き工事や欠陥工事ですが、まだまだ根絶に至っていないことから、後悔する方が後を絶ちません。
今後、職人不足傾向にあるため、顧客がわからない程度の手抜き工事は、増えていくかもしれません。
家の性能面では、住宅会社独自の性能や提案があるため、顧客とのイメージと異なってしまい、そのことで後悔する方がいます。
涼しさや温かさ、結露や換気、思いのほか光熱費が掛かってしまうなど、性能面でも後悔されている方もいます。
住宅会社では、性能や品質を数字で表すところが多いのですが、顧客の立場では体感やランニングコストなどを知りたいと思います。
後悔を減らすために、しっかりと工事がなされているかの証拠、自分が感じる体感の度合いなどを伝えてみてはいかがでしょうか。
7.主導権(顧客か住宅会社か)からの後悔
家づくりでは、どうしても住宅業界主導で行われてしまいます。
その原因は、顧客側に家づくりの情報が少ないために、情報格差が生じているからです。
後悔を感じる方は、いつのまにか住宅会社のペースで事が進められていることに、疑念を抱いてしまいます。
契約までは、自分たちに親身になってくれたのに、契約後からは、あまり親身になってくれないなどです。
家づくりの主導権は顧客にあります。今一度、そのことをしっかりと自覚することです。
そのためには、正しい情報を収集し、自分のペースを確保することだと思います。
8.ライフスタイルの変化による後悔
早い方なら、家を建ててすぐに、ライフスタイルが変わってしまうことがあると思います。
思いがけないことなら諦めもつくかもしれませんが、事前に予想が出来たことだとしたら、後悔の原因になってしまいます。
今の時代、そしてこれからは、ライフスタイルの変化が一層激しくなってくると思います。
そのため、家を建てる前に、どんな変化が想定できるかを、家族でしっかりと話し合うことです。
その上で、依頼先に伝え、できるだけ変化に対応できる間取りなどを、提案してもらうことだと思います。
以上、後悔の項目を挙げてみました。
家づくりでは、想定外のことも起こりえます。
しかし、多くの場合、想定する場面が少なすぎることに、後悔の原因があると思います。
私たちは、案外何気なく(無意識に)日常を過ごしています。
その状態で、注文住宅を建てることになったら、想定することが思いつかず、情報収集もままならず、時間に追われた家づくりをしてしまいます。
そこは一旦冷静になって、日常をたどってみてはいかがでしょうか。
そこから、家族の日常の詳細までが具体化され、日常の不満は改善させ、望みは現実化させるなど、イメージしやすくなります。
その上で、どんな注文住宅にするか、どの依頼先が合うのか、正しい情報はどうしたら得られるのかなど、落ち着いて調べることができます。
それでも後悔することはあるでしょう。
しかし、それは家族が考え抜いた結果ですから、受け入れ方が変わってくると思います。
最後に、家づくりで後悔を減らすには、何事も「準備」が大切なことだと思っています。
当社では、その「準備」のお手伝いを行っています。
できるだけ、後悔する方を減らしたい。
そのために、今日も家づくりの後悔を調べています。
後悔を減らすための対策を練るために。
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