通常は、家づくりの総額予算を決めて、必要な諸経費や付帯工事、土地価格(土地取得の場合)を差し引いた金額が、建物に掛けられる予算となります。
その中で、優先順位を決め、予算の配分をしながら注文住宅を計画していきます。
それでも予算オーバーとなってしまったら、予算を守るために何かの予算を削るか代替えするか、または、予算アップの方法を考えるか、となると思います。
ここでは、予算をアップさせることを除き、いかに予算を下げていくかをお話したいと思います。
1.予算の1%以下くらいの予算の下げ方
例えば、3000万円の総予算であれば、30万円程度の削減の場合です。
この金額であれば、住宅設備機器や内装のグレードを下げることで解決に向かう可能性があります。
キッチンの吊戸を無くす、リビングを除いた床材を無垢から新建材へ変える、壁紙のグレードを下げるなどです。
また、窓や内部建具のデザインを変えたり、数を減らすこともコストダウンに繋がります。
場合によっては、住宅ローンの取り扱い先を変えることで、諸経費を減らせるかもしれません。
2.予算の2%以下くらいの予算の下げ方
3000万円の総額の場合、60万円ほどの削減です。
このくらいの金額になると、前述した変更では追い付かないのではないかと思います。
そのため、建物の構造の部分に切り込んでみることも視野に入れます。
必要性の低い面積を減らし、その分金額を減らすなどです。
同じ面積なら、下屋のある建物を、総2階にしてみることも良いかもしれません。
3.予算の3%以上の予算の下げ方
3000万円の総額に対し、100万円以上の削減が必要な場合です。
こうなると、どれだけ細かいところを削減しても、追い付かない場合があります。
正直に言うと、総予算の3%以上のオーバーでは、元々の計画に無理があったのかもしれないと思います。
もう一度、計画を見直し、基準や優先順位による取捨選択をする必要があるでしょう。
どうしても、建物面積を減らしたくない、グレードを下げたくない場合には、住宅会社の営業担当との関わりの度合いによって、営業経費などの削減を視野に入れることも考えられます。
また、依頼先を変えて、交渉し直してみることも考えてもいいと思います。
ちなみに、当社へのご相談者からコストダウンを依頼される場合、今計画している間取り図・見積書・仕様書を持ってきてもらいます。
そこで、その間取りについて色々と質問させていただきます。
主な質問は、どうしてそれが必要なのか、どうしてこの部屋が必要なのか、どんな生活スタイルで暮らすのか、などです。
なぜ2階にトイレが必要なのか、なぜこの窓と個数になったのか、なぜLDKは20帖必要なのか、などです。
次に、相場の建築原価から、見積書が適正なのかどうかを診断します。
どの工事に、どのくらいの単価や数量や金額が表記されているのか、などのチェックです。
付帯工事についても、原価相場から顧客への提示金額が適正なのかどうか確認します。
耐震や断熱等級、基礎や木材、内外建具の数やデザイン、住宅設備機器や電気設備など、それぞれの仕様(グレード)の確認もしていきます。
また、その住宅会社の特徴や傾向を加味しながら、コストダウン案を示していきます。
コストダウンは値引きではないので、住宅会社としても嫌がる必要はありません。
ご相談を行いチェックしていくと、そもそもこの間取り自体が、お客様に合わないのではないか、と思うケースが多々あります。
当方の質問に答えていくうちに、最終的にお客様は、なんでこの間取りになっているのか、自分でもわからないとおっしゃるためです。
そんな場合には、前述した通り、計画自体に難があったと考え、コスト管理をしながらの計画の見直しをしてみることも選択の一つです。
予算オーバーになったら、もう一度、家族の注文住宅を見直すきっかけにもなります。
決してマイナス部分だけではなく、改めて家族の優先順位を行い、より良い住まいへのブラッシュアップとして考えてみてはいかがでしょうか。
◇ コンセプトから叶える家づくりサポート
◇ 新築・建替え・リフォームまで
◇ 家族の味方になってサポートします
◇ 住宅会社との商談・交渉の前に
◇ ホームサポートへご相談ください