家づくりで成功する人と失敗する人の違い

 

それを一言でいうと、住宅業界を信用しているか、それとも信用していないか、ということです。

さらにいうと、信用できるところと、信用できないところはどこか、ということです。

そのことを、どこまで正確に知っているか、ということが成功と失敗の境界線になると思っています。
(但し、たまたま成功した人や、失敗そのものに気づかない人は除きます)

 

結婚で成功したいと思うなら、相手のことをよく知ろうとします。
相手が見つからなければ、結婚相談所などに入会するかもしれません。
その場合、その結婚相談所が、自分に合った相手が会員になっているか、どんなシステムなのかを知ろうとします。
また、そもそも、結婚相談所という業界自体が、信用できるかどうか情報を集めたりします。

どのような業界も、ビジネスとして顧客と係わろうとしています。
ビジネスはお金を稼ぐことであり、そのためにサービスを提供することであり、顧客に信頼されるためにモラルを守っていくことでもあります。

私が個人的に信用が高いということは、モラルと技術の進化の結果だと考えています。
モラルが高くても、技術的に未熟であれば信用は低くなります。
また、いくら技術が高くても、モラルが低ければ信用は低くなります。
モラルも技術も低ければ、信用することなどありません。

 

 

自動車業界が信用できるのは、高い品質規格や高度な技術力で、人々の安全に対して高いモラルが要求される業界だと、誰もが感じているか知っているからです。
そのバックボーンがあるからこそ、自分に合った商品である車種やメーカーを、楽しみながら選べるのです。
昨今、その自動車業界でも品質不備のニュースが流れることで、業界の信用度が少し下がってしまいましたが。

 

一方で、住宅業界はどうでしょうか。

業界のことを全く知らなかった新人時代の私は、疑いもなく住宅業界を信じ切っていました。
家づくりの知識や経験を積みたい一心で、技術的な向上を目指していました。

しかし、時が経つにつれ、これはおかしい、これはへんだ、ということに気が付き始めました。

当時はインターネットがない時代でしたから、技術は人(上司や専門家や業者など)に聞くしかありませんでした。
すると、人それぞれに言っていることが違うのです。正しい技術的基準が立場や経験によって変わるのです。

さらに、強くおかしいと思ったことがありました。

それが倫理観、モラルです。

ある時、上司が自慢げに語っていました。
この物件(注文住宅)で、50%の粗利を出した、すごいだろうと。

大手ハウスメーカーでは、下請けの工務店に施工を丸投げします。
その工務店の粗利は10~15%程度であれば、60~65%が粗利であり、残りが施工の原価です。

3000万円の家は、1200万円程度で建つのです。

新人時代の私は設計積算という部署で、主に原価管理に携わっていました。
そのため、営業部がお客様と、どのように価格交渉をしているかわかりませんでした。

会社が儲かるのはうれしいし、ビジネス上は正しいことですが、個人的にはやりすぎと感じました。

私の気持ちの中に、モラルという概念が沸き上がった瞬間でもありました。

 

その後、建築の可能性を知るために、様々な形態の家づくりに係わってきました。
月日が流れていくうちに、私の関心ごとは「モラル」に変わっていったのです。

長らく住宅業界に従事し、この業界は不透明であり、顧客の立場に立てない、信用に値しない業界であることに気づかされてきたのです。

そのような直観を持っている顧客は、経験上、家づくりで成功する可能性が高いことがわかってきました。

物事の本質に意識が向くからです。

信用できないからと言って、やみくもに何でも疑うことは賢明ではありません。
住宅業界には、多くの信用・信頼できる人が従事しているのですから。

ただ、業界全体で見ると、明らかに不透明な部分や、ビジネスの道具としてしか考えていない方がいることも事実です。

 

 

食品偽装のスーパーやサービスの悪い飲食店には、次からは買わなければ済みます。

しかし、家は買ってからずっと住み続けなければなりません。
次からは、その住宅会社から家を買わなければいい、という単純なものではないのです。

何でも信用しないような疑いの人にはなりたくない、と多くの方が思うでしょう。
私もそうです。取り返しが容易にできるものであれば。

家は簡単に取り換えが効かない、一度きりの買い物です。
また、顧客自身が家づくりに精通している可能性は限りなく低いのです。

この二つの理由から住宅業界は、信用されないまま進歩することができなくなっています。

このことを知っているか、知ろうとしないかで、成功と失敗が決まるといっても過言ではないでしょう。

 

信頼できる人は、信用に至るまで、包み隠さずに教えたり励ましてくれるものです。
そのような人を味方にできる方は、未来への期待が持て、リスクに対処しながら自分で前を向いて歩んでいけることで、成功への確率が高まります。

しかし、すべてを信用しきっている、またはすべてを信用できない方は、家づくりで失敗の確率が高まります。
何が信用できて、何が信用できないのか、そのことを思い描こうとはしないからです。

 

家づくりを終えた方とお話するたびに、何かしら相談していただければ、成功への確率を上げることができたかもしれない、と私は何度も思い悩んできました。

しかし、そのような方は、事前に相談に訪れることはありません。すべて、事後の相談なのです。
業界内では、そのような方に対し、自己責任という言葉を使っています。

住宅業界や住宅会社があなたにできることは、家を売って作ることです。そのためには何でもありです。

最低限の基準はありますが、高い技術や高いモラルは、住宅業界や住宅会社ではなく、個人の業界人に委ねられているのが実情なのです。

だからこそ、どの人が正確な情報を提供してくれるかを、あなた自身で見つけることができれば、成功への確率を上げることができると言えるのです。

 


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