家づくり講座 ④ 【土地選びと敷地調査】

家づくりで、土地探しのこと、敷地の条件によって工事費がどのように変わるのか、
土地選びの方法や敷地の調査について確認します。

土地選びは、雑誌やサイトなどでは様々な情報であふれていて、その内容も詳細かつ多岐に及んでいることから、むしろ悩みは多くなっていきます。
情報を知れば知るほど、無意識に完ぺきを目指すようになってしまい、家づくりの最初の思いから、かけ離れた決断に至ってしまうこともあります。
ここでは、どんなことをポイントにしたら良いか、記載していきます。

目次

  1. 土地探しから家づくりを始める方へ
  2. 土地を重視して家づくりをするか、
    建物を重視して家づくりをするか
  3. 資金計画を重視して土地を探すか、
    直観を重視して土地を探すか
  4. 土地の探し方
  5. 土地探しに係わる予備知識や交渉の仕方
  6. 土地の選定に潜むリスク
  7. 建て替えの場合にも、
    きちんと敷地調査をする

1. 土地探しから家づくりを始める方へ
売地 土地探し
土地探しの多くの方は、掘り出し物の土地はないか、条件にピッタリと当てはまるまで待とう、など思うのではないでしょうか。
私も思い通りの土地がすぐに見つかればいいと思います。しかし現実的にはそうはいかない場合もあるのです。

なぜなら、掘り出し物の土地は、専門である不動産業者ですら見つけることが難しく、掘り出し物はすぐに売れてしまいます。
また、完璧に条件に合う土地など、何年かかっても出会うことが出来にくく、家づくりのタイミングが遅くなるリスクの方が大きくなってしまいます。

当地域では、分譲地が少ないため、様々なリスクを考えながら、お目当ての土地を探す必要があります。
そこで、ここでは土地探しに関して、リスクを軽減していく考え方を記載していきたいと思います。

土地探しに過大な期待は禁物です。


2. 土地を重視して家づくりをするか、建物を重視して家づくりをするか
土地を重視して家づくりをするか建物を重視して家づくりをするか
家づくりの考え方では、場所である土地を重視するか、多くの時間を過ごす建物を重視するかを考える必要があります。
もちろん、どちらも叶えられることに越したことはありません。しかし、今後の生活のために優先順位を考えてみてはいかがでしょうか。

業者にも考え方があります。土地を扱う不動産業者は、土地が無ければ建物は建てられないのだから、土地探しが大切である。
建物を扱う建築業者は、建物を建てるために土地があるのだから、建物のことも考えた上で土地を見つけることが大切だ。

業者の目的(土地を売るか、建物を売るか)によって、家づくりへの考え方が違うのです。
彼らの言い分に惑わされないようにしたいものです。

土地を重視するか、建物を重視するか、それともバランスか。


3. 資金計画を重視して土地を探すか、直観を重視して土地を探すか
資金計画と相場
家づくりでは、土地の価格と建物の価格だけではありません。それらに付随する付帯工事や様々な諸経費が掛かります。
家づくり総額=土地金額+建物金額+付帯工事費+諸経費。
家族が家づくりに掛けられる予算から、バランスを考えて資金計画を立て、その中の土地の予算でベストな土地を選ぶという考え方があります。

また、資金計画は置いておいて、直観的に良いと思った土地を確保して、家づくり総額から土地代金を引き、残りで建物や付帯工事や諸費用に充てるという考え方。
どちらもあると思いますが、どちらもメリット・デメリットがあります。

大切なことは、おおよその資金計画(返済計画)を考えておく必要があり、その中で家族の考え方や方向性を決めておくことです。

資金計画を立て総額を把握した上で、土地を探していくこと。


4. 土地の探し方

土地の情報を得るには、おおむね不動産屋会社のチラシやサイト、もしくは現地の立て看板を確認することです。建築会社でも宅建業のある会社では、不動産情報を提示しています。いずれにせよ、どのように土地を探したらいいのでしょうか。

〇売り地の情報を収集する。

チラシやサイトで、条件に合いそうな土地情報を仕入れることです。
いくつかの土地情報から相場金額がわかってきます。

〇不動産専門の不動産業者に問い合わせをする。

専門の不動産業者はその道のプロです。
どんな条件の土地が売り出されてるか、色々な条件を聞くことです。
チラシやサイトに掲載されていない情報を持っていることもあります。

〇住みたい地域や場所に、売り出しの土地がないか確認してみる。

家づくりを考えていないときは目に入らなかった売地の立て看板ですが、
土地を探し始めてからは気づくようになってくることがあります。

〇不動産情報を持っている建築会社へ問い合わせてみる。

建築会社独自の土地情報もあります。但し気を付けなければならないことは、
建築条件付きだったり、土地の問い合わせからそのままその会社から建物の営業を受けてしまうこともあります。

チラシやサイトを意識して、土地の情報収集をする。


5. 土地探しに係わる予備知識や交渉の仕方

不動産業者や住宅会社に問い合わせるにしても、多くの方は不安と警戒感が先立つのではないでしょうか。
その気持ちはある意味正解なのです。相手は不動産販売のプロです。予備知識なしにいきなりの交渉は不利になりがちになります。
では、どの点に気を付けなければならないのでしょうか。

〇売地の種類によって、営業される優先順位が異なります。

不動産業者が提示している売地には、主に3つの種類があります。

1.自社物件

自社所有の物件で、一番売りたい物件です。条件が合えば仲介手数料の減額が期待できます。

2.専任媒介物件

売主に1社で専任契約を取り付けている物件で、2番目に売りたい物件です。不動産業者を通じて売主と交渉できます。

3.一般媒介物件

売主が特定の不動産業者を専任せず、多くの不動産業者が土地売買を扱うことができる物件です。販売の優先順位は低くなります。

不動産業者は販売営業のプロです。お客様に合う不動産物件を売ることが前提ですが、扱う物件の種類によって、営業のされかたに違いが出ることがあります。

〇不動産業者を味方に付ける

交渉するに当たって、真剣なお客様と冷やかしのお客様とでは、対応が異なってきます。
不動産業者は無駄な時間と労力を掛けたくないと考えています。
真剣なお客様には、なんとか力になろうとするでしょうし、冷やかしのお客様にはほどほどの対応となってしまいます。
不動産屋業者には、ある程度具体的な条件が固まったら交渉することです。
土地の取得の時期、場所や地域、土地の予算、その他の条件など、具体的であるほど不動産屋さんは真剣になってくれます。
また、いくつかの不動産業者に、条件に合う物件を探しておいて欲しいと依頼することもできます。その場合、いつまでなどの期限を伝えるのも良いでしょう。

〇不動産業者から住宅会社を紹介される時には、注意が必要となる

多くの住宅会社は、不動産業者と提携関係にあります。
その場合、土地を探しているお客様を、不動産業者が提携先の住宅会社へ紹介し、その見返りに契約に至った場合は、紹介料を建築会社が不動産業者へ支払うことがあります。
もちろん、お客様が望んで紹介を依頼した場合です。
その場合、住宅会社の建物価格に紹介料が上乗せしてくる可能性が否定できません。

〇物件の説明をしっかりと聞く

不動産の売買契約には「重要事項説明書」の説明が義務付けられています。
但し、土地が売れるまで、重要事項説明書を作っていない不動産業者もあるので、事前に確認するか、きちんと物件の説明を受ける必要があります。

〇住宅会社の不動産物件の注意点(建築条件付など)

住宅会社が紹介している売地には、確認が必要です。
多くの住宅会社では、顧客へのサービスとして土地の斡旋も行っています。
お客様が、その住宅会社を気に入って、尚且つそこが仲介している土地も気に入れば良いでしょう。
しかし、土地は気に入ったが、住宅会社は違うところにしたいとき、申し訳ないという気持ちになりがちです。
従って、そのままお目当ての住宅会社ではなく、その土地情報を持っている住宅会社へ家づくりの依頼をするケースが多くあります。
また、建築条件付の土地もあるので、確認が必要となります。

土地探しには、土地のことだけではなく、取引相手のことも知っておく。


6. 土地の選定に潜むリスク

土地を選ぶ際には、多くのリスクが潜んでいることを知っておくことです。直観はとても大切ですが、直観に対しての根拠を確認することも大切です。

〇気になる土地があったら、現地に足を運んでみる

写真や条件の記載だけではわかりません。
現地に足を運んで、自分の五感で感じてみることです。
朝(通学や通勤の状態)、昼(日差しや騒音など)、夜(騒音や虫などの具合)など、一日を通しての確認です。
また、日曜日や祝日などの周辺状況も確認してみるのも良いでしょう。

〇町内や地域のことを確認してみる

近所の方の人柄、町内会やゴミ出し、消雪パイプや除雪、地域の祭りごと、風の向き強さや陽の当たり方など、周辺環境を知っておくと良いでしょう。
引越しして初めて知ることもありますが、事前に調べて多くと家族の新生活に気持ちを注ぐことができます。
近隣トラブルがないかどうか、それも土地選びの基準になります。

〇土地の成り立ちを調べてみる

地盤の強さ(支持地盤の位置や有無)によって、地盤改良費に影響がでる場合が多々あります。
その土地が以前どうだったのか、田んぼや沼地なのか、古くから建物が建っていたのかで、変わってきます。
近隣の方に聞いたり、周辺の地盤状況のデータを調べたりすることで、確認してみることです。

〇付帯工事が安くあがるか、高くなるのか

その土地の地形や設備条件によって、付帯工事のかかり具合が変わってきます。
安い土地でも付帯工事にお金が掛かれば、結果的に高い土地となってしまいます。全体的に判断する必要があります。
古屋付きの売地では、土地代金の他に古屋の解体費(滅失登記も)が掛かります。
土地売買の条件に、解体費込みの土地価格か古屋付きの価格なのかの確認が必要です。
水道や下水の設備が敷地内にあるかどうかも、確認が必要です。
水道取り出し工事や下水道負担金が、掛かってしまいます。
道路より敷地が低かったり高かったりすると、造成工事(外構工事)に費用が掛かります。
敷地が平らでなく、道路なりに傾斜がきつかったり、敷地内で高低差がある場合、建物への影響が出てきます。

〇その土地の地目や権利関係を確認してみる

建物を建てるためには、その土地の地目が宅地になっていなければなりません。
異なる場合、地目変更をしなければなりません。農地に建物を建てたい場合は、農地転用の申請となります。
またどこまでが自分の敷地か、境界の確認をする必要もあります。

土地選びには、リスクを洗い出しておく。


7. 建て替えの場合にも、きちんと敷地調査をする

建て替えの場合にも油断は禁物です。
建て替えするときに初めて、地目や権利関係、境界がはっきりしないことが判明する場合があるからです。
また、測量のし直しや敷地の分筆、思いがけない付帯工事の発生も出る可能性があります。
それらを含め、敷地調査をしていくと良いでしょう。

建て替え時にも、土地のリスクを調べておく。


ホームサポートでは、土地選びの相談やアドバイスを行っています。
また、依頼があれば敷地調査も行います。


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