コンセプトから建てた住まい②　川沿いの桜編

コンセプト：川沿いの桜を眺める暮らしを叶える薪ストーブのある住宅

以前、山田が従事していた建築家プロデュースで、施主のコンセプトを叶えた家づくりを紹介します。
「コンセプト」から家づくりをする楽しさや、満足を感じながらの暮らし方の参考になれば幸いです。

※ 個人情報や建物写真は、前職との都合上、おおやけにはできないことを、ご了承いただきたいと思います。

川沿い　桜
新潟県にお住いの方から、当時勤めていたプロデュース会社に問い合わせがありました。
建築家に川沿いの桜を眺める家を設計してもらいたいとのことです。
メールでやり取りをした後、プロデューサーである私（山田）がお客様のご自宅へ伺いました。
（私の地元なので、楽しみにして訪問したのです）

川沿いに気に入った土地が見つかったので、そこにある桜を眺めながら暮らしたいとのことでした。
さらに、柱や梁は現わしで、川沿いを見るための広くて大きい窓を作りたい。
そして、そのリビングに薪ストーブを置いて、火を見ながらの生活を送りたいとのことです。

ご主人は大手建築会社の現場監督をしています。私は聞いてみました。
ご自分の会社か、もしくはご自身で設計や現場管理が出来るのではないかと。

すると、ご主人はこう答えたのです。自社では、自分の理想の住宅が作れないし、現場監督という
仕事柄、忙しくて現場を見てられない。さらに、プロデューサー（山田）や建築家がしっかりと
設計や品質の管理をしてくれるので安心している、とのことでした。

ご主人は現場監督という立場から、家づくりや建築のリスクをよくご存じだったのです。

奥様も子供たちも、川沿いの土地を気に入っている様子で、リビングからの桜を楽しみにしていました。
そして建築家選びです。当時私が所属していた会社に登録がある、地元新潟の建築家を紹介しました。
その作品は、地元の木材を使い、シンプルな木組みで家づくりをし、自然素材を多く使っていました。
なによりも、家族が今お住まいの家から、歩いていける距離に事務所を構えていました。

薪ストーブ
もしかすると仕事柄、ご主人と知り合いなのではないか、そう思い、私は聞いてみました。
するとご主人は、こんな近くに設計事務所があるとは気が付かなかった、とのことでした。
建築家を紹介し、一緒に家族と面談しました。
家づくりとは不思議な縁があるんだなあ、そうご主人や奥様と笑いながら話がはずみました。

現地を一緒に確認し、どうしたら一番素敵な桜を見ることが出来るのか、
そして薪ストーブの暖かさを活かせる配置など、試行錯誤しながら設計が進んでいきました。
家族のコンセプトを、いかんなく発揮するための設計です。

同時に予算を弾いていきます。土地代や付帯工事に関する予算を引いた金額が、建物費となります。
その他に、借入などの諸費用も掛かってきます。

理想を叶えたいことと、限られた予算とのバランスを取ることが、とても重要なことなのです。
叶えたいことから予算を配分し、次第に優先順位が低い項目に対し、配分していくのです。
全体の設計計画が出来あがり、予算の配分もできたところで、施工会社選びとなります。

当初の話から、ご主人の会社ではなく、建築家がいつもお願いしている施工会社へ依頼することになりました。
（住宅建築でのコンペは、個人的にはお勧めしません）
施工会社の過去の現場や、管理体制から、ご主人も納得されました。
こうして、コンセプトのある家づくりを進めていったのです。

完成した住まいは、まさに理想の暮らしを叶えてくれるものでした。
コンセプトが叶った住まい、家族の笑顔がとても素敵でした。

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