コンセプト:田舎を眺める暮らしを叶えるプロヴァンス風住宅
以前、山田が従事していた建築家プロデュースで、施主のコンセプトを叶えた家づくりを紹介します。
「コンセプト」から家づくりをする楽しさや、満足を感じながらの暮らし方の参考になれば幸いです。
※ 個人情報や建物写真は、前職との都合上、おおやけにはできないことを、ご了承いただきたいと思います。
埼玉県にお住いの方から、当時勤めていたプロデュース会社に問い合わせがありました。
建築家にプロバンス風の家を設計してもらいたいとのことです。
メールでやり取りをした後、プロデューサーである私(山田)がお客様のご自宅へ伺いました。
ご主人いわく、「私はこれで3度目の家づくりなので、集大成にしたい」とのことでした。
やはり、飛び出した言葉は、田園・プロバンス風ということでした。
ご主人の夢は、田園の風景が好きで、リビングの大きな窓からその四季を眺めていたい。
そして、最後の家はプロバンス風の邸宅にしたかった、ということでした。
「それが〇〇さんのコンセプトですね」と私はご主人に確認したのです。
すでに、気に入った土地は購入済みでしたので、現地を一緒に見に行きました。
奥様も子供さんも、そのコンセプトに異論はありませんでした。
住宅作品や地域性から、埼玉県在住の建築家を選び、再度一緒に訪問しました。
同郷の建築家ということもあり、話がはずむことから、建築家選びが決定となりました。
打ち合わせには私が同席します。お客様と建築家の間に立ち、互いがコンセプトに沿って、
または、予算的に無理はないか、ご主人はもとより奥様の本音はどうなのかなど、
お客様にサポートし、建築家との打合せをチェックしていきます。
理想の間取りが完成し、建築家は実施設計を進めます。
その間も、住宅設備機器や内装材など、コンセプトとのバランスを取りながら決めていきます。
大切な予算も、私の方で見積もりしながら、当初の予算との調整をとっていきます。
ご家族は、日々家づくりを楽しんでいる様子でした。会うたびに笑顔で出迎えてくれたのです。
図面が完成し、おおよその予算のたたき台が出来上がりました。
これから施工会社を選んでいきます。
建築家プロデュースでは、コンペ形式による選び方、そして特定の施工会社へ依頼する選び方があります。
今回は、私が信頼できる埼玉県の工務店を紹介しました。
私の個人的な考えは、大規模建築ではコンペが優位ですが、個人住宅ではコンペより、信頼できる
施工店に作ってもらった方が良いと考えているからです。
紹介した工務店の社長と、お客様、建築家とで話し合い、コンセプトの共有を図りました。
お客様も施工会社も、互いに話が合い、いい住宅を作るという品質の合意も取れたのです。
施工会社へ図面と私が見積もりした参考見積書も渡し、注意事項や打合せ詳細事項を引継ぎ、
後に施工会社から正式な見積書を受け取りました。
多少の予算オーバーとなりましたが、コストダウンを図り、予算内に収まった段階で、
契約を締結したのです。
地鎮祭が済み、工事が始まりました。ご主人と奥様は、仕事の合間にしょっちゅう現場に
足を運んでいました。写真を撮り、職人さんに差し入れをしたりと、一見すると大変なことですが、
二人とも感性が待ち遠しくて、むしろ楽しんでいるかのようでした。
そして、5か月後、待ちに待った完成となり、引き渡しが無事に済みました。
数か月後に訪問したところ、田園を眺めながら夫婦でお酒を楽しんでいるとのこと。
建物のデザインもお気に入りで、まだまだ仕事を頑張っていけると喜んでいました。
コンセプト=暮らし方。私にとって、家づくりの法則です。
同じ家を建てるなら、家づくりに同じ予算を掛けるなら、家づくりそのものを楽しむなら、
最初にコンセプトを掲げ、その完成を目標にすることだと思っています。
建築家や施工会社も、お客様が笑顔で日々暮らすことが、仕事のやりがいを引き出す動機となるのです。
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