当社へのご相談で多いのが、工務店などの住宅会社から提示される間取りが気に入らない、ということです。
完成見学会などで見た建物が気に入って、いざ、間取りを作る段階になってから、なかなか良い間取りが提案されないというお悩みです。
・何度打ち合わせをしても、思ったような間取りにならない。
・こちらの要望が、なかなか間取りに反映されない。
・一方的に間取りを提案され、自分たちの気持ちを汲んでくれない。
ご相談される方の訴えは、このようなものが多いです。
そのような気持ちに耐えかねて、たまたま当社のチラシを見て問い合わせした、ということです。
なぜ、そのような方に対して、良い間取りが提案されないのでしょうか。
大きく考えて、原因は2つあると思います。
1.敷地の制限が多くあり、物理的に思ったような間取りにならない。
2.住宅会社の営業担当、もしくは設計担当が、間取りに対しての重要度を低く見ている。
1は、敷地に対して、要望が過大となっていると考えられることから、優先順位などを見直すことが大切だと思います。
どうしても間取りを重要視するのであれば、新たな土地を探すことも考えていく必要があるかと思います。
問題は、2の方です。
間取りを作る担当者として、お客様とのコミュニケーションから、何を汲み取って間取りに反映させるか、という内容に問題がある場合です。
・方位や風向き、周辺環境を考えずに、単に部屋割りとして間取りを作ってしまう。
・居室や水回りなど、一般的な広さ(〇〇帖など)で、単純に組み合わせている。
・生活導線を度外視したような間取りを作ってしまう。
・お客様の気持ちの部分を探らず、作業として間取りを作ってしまう。
・使い勝手やサイズ感を無視して、間取りを描いてしまう。
挙げればきりがないですが、要は、家族が暮らすための間取りに感じられない、ということではないかと思うのです。
もしかしたら、担当者(営業や設計)として、良い間取りを作ろうという気持ちが足りないかもしれません。
なぜなら、営業担当としては、間取り作成に時間を掛けず、早く契約を取りたいと考えがちです。
設計担当は、間取り作りが本業ではなく、決まった間取りに対して確認申請図を作成したり、構造計算することが本業です。
そもそも、住宅会社で、良い間取りを作る研修など聞いたことがありません。
(やっている会社があるかもしれませんが)
多くのお客様は、住宅会社に行けば、気に入った間取りを作ってくれると思っています。
または、そうあるべきだと信じています。
しかし、実情はそんなにうまくはいかないのです。
良い間取りを作るには、共感や総合的なスキルが必要だと思っています。
家に暮らす家族一人一人が、どんな毎日を過ごすのかを想像すること。
朝・昼・夜、四季、平日と休日、来客の頻度、食べ物の趣向、趣味、子育ての考え、子供の部活、5年先や10年先の将来など、家族がどんな過ごし方をしたら快適になるのかを、十分に話し合うこと。
その上で、建築的にどんな提案が、家族にとって良いのだろうかと考えること。
構造的に無理はないか、断熱性能は高まるか、維持管理に無理はないか、予算への影響なども同時に考えること。
間取りが家族の幸せにとって、本当に大切なことだと思うことだと思うこと。
それらが共感や総合的なスキルではないかと思います。
ご相談者は、住宅会社が決まっているが、間取りが思うようにならない場合、どこにも相談できる場所がないとおっしゃいます。
そのため、これまでは、我慢するか、自分で作ってみるか、それとも最終的に住宅会社を変えるか、という選択肢でした。
こうして当社へご相談しにくるのです。
当社では、このような方のために、間取り作りのワークショップをしています。
また、それ以前に、住宅業界の実情を当社から聞いていれば、間取りに関しても苦労することが減ります。
良い間取りにするためには、良い間取りを作れる人との出会いが大切になると思います。
もし、住宅会社にそのような方がいなければ、第三者に相談してみるのも良いかと思います。
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