間取りの作り方や考え方には、大きく2通りあると思っています。
1.顧客に売るための間取り
2.家族が暮らすための間取り
顧客に売るための間取りとは、住宅会社などが顧客にプレゼンしたり、提案したりする、家を売る側が考える間取りのことです。
また、売る側としての事情からくる、作りや考え方から作られる間取りです。
全ての住宅会社とは言えませんが、売る側の立場としては、できるだけ手間暇を掛けずに間取りを決めようとする傾向があります。
なぜなら、経営上、早く間取りを決めて着工することで、資金の回収が早まるからです。
1年も2年も掛けてじっくり顧客と向き合い、何十回もプランを書き直すことを許してしまうと、営業経費が膨大になります。
そのために経営が成り立たなくなってしまいかねません。
従って、できるだけ早急に顧客へ聞き取りをし、間取りという形にする傾向があります。
その時の聞き取りは、リビングが〇〇帖、寝室が〇〇帖など、必要な部屋と広さを確認します。
その上で、営業マンや設計担当が、聞き取りの不足分を補って、予算に合いそうな坪数を想定して、一つの間取りにまとめます。
その間取りを土台として、窓はどれにしますか、ここに仕切りは必要ですか、などといったやり取りで取りまとめます。
一方で、家族が暮らすための間取りでは、どんな生活をしていくのか、何が優先順位なのかなどの準備から考えていく間取りです。
日常生活でどんな動きをするのか、朝夕の動き、子供たちの動き、四季による動き、そして将来の動きなどを考えます。
また、方位や周辺環境、風や光のこと、ゴミ出しのこと、洗濯物をどのように干すか、食材の買い物の頻度など、生活していく上で、いかに便利に、いかに自分たちに合うようになるかを考えます。
基本的に住宅会社は、家を売るところ、家を建てるところです。
家づくりは、顧客がこのような家を建てたいという希望に対し、住宅会社はその希望を効率よく形にするということです。
多くの方が、日常的に間取り作りをしているわけではありません。
家を建てようと思った時点から、間取りをどうしようかと思い始めるのです。
そのときに、間取りに対してどのような考え方があるかによって、家づくりが大きく変わってしまいます。
何もわからないから、住宅会社にお任せという方は、それはそれで良いかもしれません。
その場合には、売るための間取りということを受け入れなければなりません。
これからの生活は、あなたがその間取りに合わせていくことになります。
建売住宅や中古住宅を買うのと、あまり変わりはありません。
せっかく家を建てるのだから、自分たちに合った間取りにしたいと思う方もいます。
しかし、実態は、自分たちに合う間取りの作り方や考え方を知らないため、結局は住宅会社の提案を受け入れてしまいます。
そして、打合せが進むごとに、これでいいのかと疑問を抱くようになってしまうのです。
そのまま家が建ってしまうと、喜びより後悔が大きくなる可能性が高まってしまいます。
良い間取り、という一般的な情報は、雑誌やネットに数多くあります。
しかし、それらの情報が自分たちに合うとは限りません。
そこで、家族が暮らすための良い間取りを作りたい場合は、こんな考え方をしてみてはいかがでしょうか。
あなたが家を売る立場だったら、顧客に対してどんな間取りの提案をするのか、を想像してみることです。
自分自身のことは案外わからないものです。
しかし、他人のことは客観的に見聞きしやすくなります。
立場を変えて考えてみることで、何がわからなくて、どのように質問したらいいのかなどに気づくかもしれません。
夫婦間でやり取りしてみるのも良いと思います。
その時に相手に提案できる間取りが、今のあなたの知識や情報量、そして提案力となることに気がつくことでしょう。
その状態で住宅会社と間取りの打ち合わせをしてしまうと、その状態での間取りにしかなりません。
家族にとっての良い間取りを作りたいなら、その作り方や考え方を学んでみてはいかがでしょうか。
当社では、家を売る立場ではないことから、家族が暮らすための間取りのワークショップを開いています。
いろいろな視点から、間取りのことを知ることができますので、お近くの方はお気軽にお問合せください。
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