今日も空から静かに雪が舞い降りています。
当事務所の窓から、雪景色を切り取ってみました。
暖冬と言われ、年末からお正月にかけては、例年に比べ雪の量が少なかったのに・・・。
さすがに本格的な雪到来となるかもしれません。
雪国では、雪は恵みでもあり苦労の種でもあります。
スキー場などの施設や除雪での雇用に対し、多くの方が恩恵を受けています。
一方で、毎日の雪かきや除雪、雪を解かすための設備や熱源のコストは、健康や家計への圧迫を招いてしまいます。
こと建築に関して、雪は百害あって一利なし(極端かもしれませんが)と多くの方は思っていることでしょう。
雪が積もらない地域では、冬場の建築工事に多大な支障をきたすことはありません。
しかし、雪国では、雪が積もることで、支障への対処に多くのコストを掛けざるを得ないのです。
雪が積もったら地面が見えません、工事車両も止められません、基礎の中に雪が積もり続け、建前ができません。
そんな状況の中でも、雪国では住宅建築を行っています。
一見すると、よく頑張っていると称賛したくなりますが、そんなことはありません。
頑張るには頑張るだけの理由があるからです。
むしろやらなければならない事情があるからです。
雪が積もり続ける過酷な状況では、顧客も住宅業者も本音では家を建てたくはないのです。
では、なぜ、真冬の雪国で住宅建築をしなければならないのでしょうか。
(顧客側の事情)
・子供の入学などの事情で、4月の年度初めまでに入居したい。
・・・。
他には思い当たりません。(人それぞれに事情があるので)
(住宅業者の事情)
・1月~3月の冬場は、収入が少なく経営上苦しくなるため。
・冬場の職人さんの雇用を確保するため。
この2つが大きな理由だと考えられます。
こんなことを、住宅会社の社長や営業マンから聞いたことはありますか?
「冬工事だから、職人さんの手間賃を叩けるので、安くなりますよ」
ひどい言い方に聞こえませんか?
本当は、顧客も住宅業者も、雪が積もり続ける冬には工事をしたくはないのです。
なぜなら、夏場よりも品質担保に支障がでることと、除雪など余計な経費が掛かるためです。
冬工事こそ、通常の家づくりの価格より、高い価格となってしまうのです。
お客様の事情によって、多少の経費が掛かっても、冬工事をしなければならない場合は、万全の対策と段取りを用意して工事を行うことがあるでしょう。
しかし、住宅会社の事情によって、冬工事を勧められる場合には、注意が必要となります。
なぜなら、事実上、年間を通じての経営がうまくいっていない状況ですと、顧客に言っているのと同じことだからです。
(年間を通じての計画的経営であればよいのですが)
顧客に対し、冬工事だから安くなると言うことは、さらに経営を圧迫し、品質がないがしろになるかもしれませんよ、と言っているのと同じことなのです。
(但し、冬工事への対策や段取りをすればよいのですが)
このような説明を、住宅会社は顧客にはしませんし、顧客は冬工事のリスクなど思いもよりません。
冬工事に失敗すると、1年以内に新築の我が家に支障がでてきます。
場合によっては、大規模な補修工事を要することになるかもしれません。
そのお金を住宅会社が負担してくれればいいのですが、住宅会社はしぶるでしょう。
以前、現場の近隣の方からこんなことを聞きました。
「あのお宅は、1月末の一番雪が多いときに、建前をやるんだって。どうかしてるよね」
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