こだわりの見積価格
いくら図面や仕様や素材が良くても、納得のいく価格でなければならない。
要望が高くなるほど、価格も上がっていくものだ。
一般の住宅会社やリフォーム会社の価格の仕組みを一言。
顧客が受け取る見積書には、仕入の材料費や下請業者への外注費などの原価、
そこに現場管理費と一般管理費という経費が計上されて「見積価格」となる。
(見積価格のうち原価と経費を公開している会社は少ない。)
住宅会社やリフォーム会社が、その原価にいくらの経費を計上して、
顧客に見積価格を提示するかは、その会社次第となり顧客には決して伝えない。
そこが建築業界の価格が不透明だと言われる「ゆえん」である。
顧客が必死にコスト削減しようとも、その対象となる「見積価格」は、
住宅会社の「さじ加減」となり、本質的なコストダウンとは言い難いのだ。
(会社によって経費の考え方が違う。同じ商品であっても見積価格は違ってくる。)
プロデュースでは、顧客へこのような価格の仕組みを説明する。
新築や大規模リフォームをプロデュースする場合、
請負工事業者との協力体制の事情が異なってくることで、
都度、価格をプロデューサーが確認しながら、顧客へきちんと示していくことになる。
プロデュースが入る建築見積価格は、不透明な「見積価格」を分解し、
分析しながら、顧客が納得できるようにオープンにしていく。
だからこそ顧客は、単に値引きを要求するだけのコスト削減ではなく、
本質的なコストダウンを自ら納得しながら、
要望と現実の予算をやりくりできるようになるのだ。
N様に聞いてみた。
不明瞭な見積書と明瞭な見積書、どちらがお望みですか?と。
「明瞭な見積書がいい」そう答えた。
今回の改装では、材料費や職人さんの工賃など、いわゆる業者価格を提示し、
そこに施主支給品の価格、そして当方のプロデュース費の価格を計上し、
「明瞭な見積書」としてN様に提示した。